2015年10月2日金曜日

農業とハイテク産業の調和

OECDでの講演がきっかけで、南フランスのラングドックールション地方との交流が始まった。ここは国家プロジェクトとしてリゾート開発がすすみ、ヨーロでは有数のリゾート地になっている。その中心都市・モンペリエ市は同時にテクノポール建設をすすめている。テクノポールとは日本でいうテクノポリスである。当地出身の社会党のデルフル議員より、「自分の生まれ故郷のモンペリエ市と協力関係を結びたい」という提案があった。その後、同地方のキャプドヴィル議長やモンペリエ商工会議所の視察団が幾たびか訪れた。そのたびに、「あなたに来てもらって、直接話をしてほしい」との要請を受けていた。

そこで六〇年一〇月、モンペリエ市発足一〇〇〇周年記念行事のゲストとして同地方を訪問した。農業とハイテク産業の調和、独自の文化都市づくりについて討論が行なわれ、地理的、経済的にも多くの共通点を持つことが指摘された。こうしたことから、「大分県とラングドックールショッ地方との間の友好協力宣一言」に調印。これからの地域振興のノウハウの交換を行なうことになった。今日では、大分の農村婦人が同地方の農村婦人と交歓会ももっている。

この友好協力宣言ゆこの後、ブラジルのスピリトサント州とも結んでいる。自治体はよく姉妹都市を結ぶことがあるが。大分県は世界のいろんな地域との交流を考えており、一力所のみの交流をつなけたいとは思っていない。

六三年一月、イギリスの外務大臣サー・ジェフリー・ハウ(現副首相)が湯布院町の農家にあがり込んだ。一村一品運動の活動家たちとじっくり懇談、仏壇の前の座敷にぎこちなく正座した姿は絵になった。ハウ外相は日英協議で来日したわけだが、それまで五回の来日は東京だけしか滞在していない。「東京は本当の日本ではない、日本の地方を見たい」ということで大分が選ばれ、ロンドンから成田、羽田を経て直接大分に来たのだ。