2014年11月3日月曜日

日本道路公団職員の不具合

官僚は「通達」を勝手に出して、自分たちの利益に利用できる。道路サービス施設について「一括して同一の占用主体に占用を認めるものとする」とした六七年の道路局長通達は、まさにこのような官僚のツールとして使われたのである。財団・道路施設協会はこの通達で道路公団から「占用権」のお墨付きを得て、SAやPAの独占的事業に乗り出すが、その際二つの仕掛けが使われる。

一つは、同財団が日本道路公団職員の互助会だった「厚生会」の資本を元手に設立されたことだ。そして建設事務次官か国土庁事務次官が天下る道路公団総裁の退任後に、財団理事長のポストがあてがわれた。特殊法人・日本道路公団が「資本」と「役員」を送り込んで業務を独占する財団をつくり、利益を独り占めする構図ができ上がったのである。

もう一つの仕掛けは、同財団が、自ら出資した直系の子会社・関連会社とだけ随意契約して独占的利益を山分けしたことである。道路施設協会が先の二財団に分割される前の九七年当時、同協会の出資関連会社は実に六七社にも上った。このうち五八社の代表者が日本道路公団もしくは建設省出身者で占められ、深刻な不況にもかかわらず、独占的契約のおかげでわずか一社を除く六六社が経常利益を計上している(九六年三月期決算)。

つまり、日本道路公団が九三年以降、国庫(道路整備特別会計)からの補助金・出資金が急増大し、財投資金(郵貯、公的年金積立金、簡易生命保険積立金など)からの累積借金が当時二一兆円にも膨らんでいたのに、子会社ともいうべき道路施設協会とその関連会社は「不況どこ吹く風」とばかりに好景気を謳歌していた。特殊法人の経営は借金だらけで巨額の税金を注ぎ込んでいるのに、直系の財団とその関連会社は国民の与り知らないところで大いに潤っていたのである。